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●法人/益金・売上高の計上
2011年07月13日(水)
プロローグ
代金決済の方法として、すっかり定着した感のある「クレジットカード」。すでに導入をしてお客様から好評を得ている店舗も多いことでしょう。
ただ、手数料の負担や現金入金が後日になることから、導入に二の足を踏んだり、導入済みであっても、積極的に顧客に宣伝をしていないケースも多いようです。
そこで今回は、クレジットカードが売上アップに結びつくという"お得な話"と、その導入の際に気を付けたい会計処理について述べてゆきます。
クレジットカード導入は、店舗のユーザビリティー
1)顧客をいちいちATMに並ばせる?
近年、まとまった現金を持ち歩かずに、銀行預金をお財布代わりに利用している方が大多数になってきていると言われています。また、クレジットカードの普及や、急速な電子マネーの普及で「お財布がいらない」時代がやがては到来するとも言われています。
このような時代の変遷のなかで、現金商売を続ける商店や商法は特殊な販売形態とされる時代が、やがては訪れるのかもしれません。キャッシュレス決済に慣れたサロン顧客が、現金決済を続けるお店に違和感を覚えつつ、予約時間前の忙しい時間帯にATMに並んでいる・・・といった状況が、もしかしたらすでに起きているのかもしれません。
2)提案型の顧客単価アップに欠かせないもの
競合他社との競争激化が必至となってゆく中で、来店顧客にいかにプラスアルファの商品やサービスを購入してもらうかといったことが、顧客単価アップの切り札として叫ばれて久しいところです。
もちろんそのカギを握るのは「お店スタッフの好感度や品揃え」といったところにはなりますが、それを測方支援する店舗の仕組みとして「クレジットカード決済の導入」があるのだと私は考えています。
その理屈は、たとえば「当日の財布の中身を気にせずに、担当者に勧められたオプションメニューを注文できる」というものです。来店顧客は、「買い物・食費・交通費」といった当日の支出項目を予算化して、現金の持ち合わせを決めているところがあります。その顧客の「予算」を程良く"ご破算にする"魔法が、クレジットカードというに込められていると思われます。
「顧客が身につけているクレジットカードは、お店にとっては打ち出の小槌(こずち)」とも言えるのではないでしょうか。
クレジットカードの会計処理で気を付けたいところ
1)クレジットカードの売上はいつの売上?
クレジット売上の計上時期は、加盟店舗が顧客への役務提供を完了した時点になります。この時期と入金日が期をまたぐ決算月の会計処理は、必ず売掛金を計上するという点で特に気を付けましょう。
2)手数料はどのように会計処理する?
カード会社への請求金額とその入金額の差額である手数料金額は、加盟店舗が顧客に対して有する売上代金を取り立てる権利を、カード会社に譲渡した際の手数料となります。そこで、この金額には消費税が課税されない取引とされています。
3)どんな帳簿を設けておけばよいのか?
売掛金を用いた経理処理を行うことになるので、会計ソフトの売掛金管理機能や、売掛台帳を記帳するなどして、請求と消し込みの管理を兼ねた正確な会計処理を心がけてゆきましょう。
むすび
商取引全体でのクレジットカード利用率が約11%とも言われるこの時代、「うちはカードはやっていません」なる対応が成り立つ時代は終わりに来ていると考えられます。その導入により顧客単価アップを達成できた店舗の実証例も多く報告されています。導入がまだの店舗では、会計処理も含めて、検討課題になされてはいかがでしょうか。
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