税金のなやみ、税理士にご相談ください! 相談したくなる税理士・小林俊道事務所です。

税理士 小林俊道事務所

プライバシーポリシー

サイトマップ

ご相談・お問い合せ

TEL.03-6206-0881(9:30~17:00)/FAX.03-6206-0882

お問い合せフォームはこちら

もっと知ろう!税金のこと

身近な言葉でありながら、意外に分からないことが多いのが「税金」。 特にお仕事においては、「税を知らないこと」が不利益を生むリスクとなる 場合もあります。 税金の基礎知識、しっかりチェックしてみましょう。

●法人/益金・売上高の計上

「時価よりも低い価額で譲渡をした場合の課税関係」(hj0602)

2012年08月17日(金)

プロローグ・低廉譲渡に対する課税

 

 

同族会社において、会社と会社経営者との間で資産(土地や建物、株式)の譲渡取引を行う場合は、思わぬところで課税が生じうるという問題が生じます。

この点、非同族の会社においては、株主や銀行団と行ったステークホルダーが豊富に存在するところで、そもそも会社と会社経営者間の資産譲渡取引は希なことですし、もしそうした取引が実行されたとしても、取引価額は市場価額、すなわち時価を意識した価額となるのが通常です。

ところが、同族会社においては株主による監視が機能しないこともあり、こうした資産譲渡の取引価額に恣意的なものが入りやすいのが実態です。このようなところで気にしなければいけないのが、資産譲渡に関して生じる課税の問題です。

この課税の問題のうち、今回は低廉譲渡(時価よりも低い価額で譲渡をした場合)の課税関係について、法人/個人の当事者の区分ごとに解説を試みてゆきます。

 

個人から個人への低廉譲渡

 

 

<売り手の税務>
・収入金額を時価とみなして譲渡所得計算をするという、いわゆるみなし譲渡課税(所得税法59Ⅰ②)は、なし。
・上記のようなことになるので、(低廉の売却金額ー取得価額)×20%(地方税込)=納税額となります(要確定申告)。

<買い手の税務>
・贈与税の課税があります。
・買い手が将来譲渡するときの取得価額は、今回の低廉の売却金額となります。将来的には、買い手のところで課税されることになりますので(買い手が、ゆくゆく売却時の時価で売却した場合)、この現象をもって「課税の繰延べ」といったりします。

 

個人から法人への低廉譲渡

 

 

<売り手の税務>
・収入金額を時価とみなして譲渡所得計算をするという、いわゆるみなし譲渡課税の特例が適用されます(所得税法59Ⅰ②)
・上記のようなことになるので、(時価金額ー取得価額)×20%(地方税込)=納税額となります(要確定申告)。
・もっとも、「著しく低廉でない価格での譲渡」とはならない場合は、上記特例は適用されず、原則どおりの譲渡所得計算となります。
・上記「著しく低廉ではない価格」とは、目安として時価の50%以上の金額とされています(所得税法施行令169)。
・そこで、「著しく低廉ではない価格」で譲渡をする場合の納税額は、原則に戻り(低廉の売却金額ー取得価額)×20%(地方税込)=納税額となります(要確定申告)。
・ただし、時価の50%以上の価格での譲渡であっても、同族会社の行為計算規定(信義則のような、包括規定です。所得税法157条、所得税基本通達59-3)が働きうる場面もあり得ます。課税当局への事前照会等をおすすめします。
・仮に、同族会社の行為計算規定が働いた場合は、みなし譲渡課税の特例が適用されることになります。

<買い手の税務>
・法人が資産を譲り受けた場合、その資産は時価で計上するのが、法人税法上の原則です。そこで、受贈益(益金)の計上が求められます。


法人から個人への低廉譲渡

 

 

<売り手の税務>
・時価で譲渡をしたとみなして法人所得を計算します。そこで、時価と譲渡価額の差額が、寄附金と売却益で同時に計上されることになります。このうち寄附金は損金算入制限を受けますので、結果として売却益のかなりの金額が法人課税されることになります。

<買い手の税務>
・法人からの贈与になりますので、一時所得が生じます(要確定申告)。

 

法人から法人への低廉譲渡

 

 

<売り手の税務>
・時価で譲渡をしたとみなして法人所得を計算します。そこで、時価と譲渡価額の差額が、寄附金と売却益で同時に計上されることになります。このうち寄附金は損金算入制限を受けますので、結果として売却益のかなりの金額が法人課税されることになります。

<買い手の税務>
・法人の資産は時価で計上するのが、法人税法上の原則です。そこで、受贈益(益金)の計上が求められます。

法人から法人への低廉譲渡の場合は、上記を踏まえたところで、さらにグループ法人税制が適用されるかどうかの検討も求められてきます。その上で、グループ法人税制の適用を受ける場合には、上記の課税関係に変化が生じてきますので、注意を要するところです。

 

 

前の記事 <

●法人編/法人/益金・売上高の計上記事一覧

>「もっと知ろう!税金のこと」トップへ