身近な言葉でありながら、意外に分からないことが多いのが「税金」。 特にお仕事においては、「税を知らないこと」が不利益を生むリスクとなる 場合もあります。 税金の基礎知識、しっかりチェックしてみましょう。
●個人の納税/東日本大震災関連
2011年08月11日(木)
大震災に対応した申告・納付期限の延長措置とは
国税庁は去る8月5日、かねて設けていた東日本大震災に係る国税の申告・納付等の延長期限について、岩手県、宮城県および福島県のうち、主に内陸部にあり、震災による被害が沿岸部ほど甚大ではなかった一部の地域の期限を、平成23年9月30日とする旨を告知しました。
この「申告・納付期限の延長措置」とは、去る3月15日、国税庁が東日本大震災への対応として、被害状況が厳しい青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県の5県について、国税通則法 に基づき、3月11日以降に到来する全ての国税の申告・納付等の期限を自動延長する措置を行う旨を告知したというものです。
この延長期限年月日については、告知当初から未定とされており、各地の被災状況を鑑みつつ別途国税庁告示で定めるものとされていました。
岩手・宮城・福島県の一部地域の期限延長措置が解除に
こうした延長措置について今回、岩手・宮城・福島県の一部地域が、上記の地域指定から外れることになりました。この地域指定の一部解除により、岩手・宮城・福島県の一部地域のいずれかに納税地を有する法人や個人については、3月11日から9月29日までに期限が到来する国税に関する申告等の期限が9月30日となります。
今回告知を行う地域は、岩手県の盛岡市、花巻市、北上市など、宮城県の仙台市、塩竃市、白石市など、福島県の福島市、会津若松市、郡山市、いわき市、相馬市などです。
詳細は、国税庁ホームページをご覧下さい。
青森・茨城両県の期限延長措置はすでに解除
こうした延長措置について、すでに青森・茨城両県は、上記の地域指定から外れています。すなわち、青森県、茨城県内のいずれかに納税地を有する法人や個人については、3月11日から7月28日までに期限が到来する国税に関する申告等の期限が7月29日とされています。
申告・納税手続が困難な場合は、個別で申請を
今回、申告・納付等期限の延長特例の地域指定が解除された岩手・宮城・福島県の一部地域ですが、被災状況によっては、9月30日までに申告等ができない納税者がなお存在することも考えられます。
この場合は、個別に所轄税務署長に対して申告等の期限の延長を申請することができます。
岩手・宮城・福島の激震地域は、なお期限延長の状況
また、被害状況が特に甚大であった岩手県・宮城県・福島県の沿岸部地域の期限延長の期日は、これらの地域の復旧状況をみて今後判断してゆくものとされています。
(参考)今回は延長期限を指定しない地域
〔岩手県〕 宮古市、大船渡市、陸前高田市、釜石市、住田町、大槌町、山田町
〔宮城県〕 石巻市、気仙沼市、多賀城市、東松島市、女川町、南三陸町
〔福島県〕 田村市、南相馬市、川俣町、広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯舘村