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●個人事業/消費税の実務

「消費税率の引き上げと軽減税率導入の議論」(kj0601,hj0901)

2014年01月16日(木)

税制改正と軽減税率導入

 

軽減税率という言葉をご存じでしょうか。特定の商品やサービスの対価に課税する消費税率を、通常の税率よりも軽減するという税制です。この軽減税率について、平成26年度税制改正大綱では、消費税率の10%時に軽減税率を導入すると明記されました。

しかし、その導入には、困難な道のりや反対意見も存在します。以下、軽減税率の課題や問題点を探ってみましょう。

 

食料品等の生活必需品には軽減税率

食料品など一部の生活必需品に軽減税率を導入すると、消費税率について本則の税率と軽減税率の二つが存在するため、複数税率制度と呼ばれることもあります。複数税率制度は、消費税(現地では付加価値税ともいいます)の先進国ともいえる欧州諸国ではポピュラーなものです。


逆進性の議論と低所得者対策

 

生活必需品に対する消費税率を軽減税率とする政策的な意図は、消費税の逆進性対策にあるとされています。この点、消費税は高所得者も低所得者も同じ割合の税負担をするものであり、高所得者のほうが全体の所得や収入を消費に回す割合が少ない分、所得や収入全体に対する消費税の負担率は低所得者ほど高くなる点(=逆進性)を問題とします。

そこで、食料品といった生活必需品の消費税率を軽減税率として、高額商品や嗜好品の消費税率を標準もしくは高い税率に設定をするという、複数税率制度が提唱されます。すなわち、生活必需品に軽減税率を適用することにより、低所得者層に対する負担増を押さえることができ、逆進性が解消するとの考えです。

 

軽減税率には課題や問題点が多数

 

もっとも、軽減税率の設定にあたっては、各経済団体からの反対意見が多数挙がっています。このような状況で、果たして軽減税率は導入されるのでしょうか。

① 本当に低所得者対策となるのか

食料品といった生活必需品の税率を下げたところで、そうした生活必需品は高所得者にとっても"必需品"であるため、結局高所得者を利することになるといった指摘があります。

② 対象品目の線引きをどうするのか

軽減税率の適用を米や味噌やパンだけに認めるのか、それとも食料品のすべてなのか、飲料品はどうするのかといった問題です。また、欧州諸国の複数税率制度のように、店内で食べるのかテイクアウトか、温かい食品か冷たい食品かで税率を変えるのか、各種のチョコレートへの適用税率をココアの含有率で決めるのかといったことまで、すべて法律で決めなければいけません。
 また、軽減税率の適用範囲を、食料品等以外の生活必需品にも広げるべきといった議論も起こるでしょう。こうして考えてゆくと、軽減税率の導入には「特定分野の業界に恩恵を与え、政治的恣意性の介入につながる」として反対をする意見があることも、うなずけるところです。

③ 税収の減少も大きな問題

食料品等の生活必需品に、新たに軽減税率を導入した場合の税収の減少も大きな問題です。財務省の試算では、消費税率10%時にすべての食料品を5%にすると、2.5兆円から3兆円の税収の減少になるとします。こうした税収減の穴埋め(代替財源)のめどはたっていません。

④ 企業の事務負担は大幅増に

軽減税率の導入には、インボイス方式の導入が不可欠とされています。インボイス方式とは、消費税の課税事業者が、商品やサービスを販売する際に、税率や商品に課された消費税額を記載した伝票(インボイス)を相手方に発行・交付をして、インボイスを受け取った者は、そのインボイスの記載どおりに税額を控除(売上げの際に預かった消費税から、仕入れの際に支払った消費税を控除して消費税の納税額を求める際の、控除する税額)するという仕組みです。インボイスの発行や保存は、確実に事務負担が増えることになるでしょう。

この点、現行の消費税の控除は、インボイス方式ではなく帳簿方式を採用しており、相手方が交付する請求書をもって、仕入の際に支払った消費税を証明する仕組みになっています。現行の単一税率のもとでは、請求書の総額の税込みの金額が分かれば、それに百五分の五を乗じることにより支払った消費税の税額が求めることが出来るので、インボイスは特段不要となります。


具体的な制度設計は平成27年度税制改正大綱で決定

 

上記に取り上げたような問題は、今後与党税制調査会で解決のための議論を重ねて、来年度の平成27年度税制改正大綱で具体的な結論を得て決定するものとしています。引き続き議論の行方を見守りたいところです。

 

 

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