身近な言葉でありながら、意外に分からないことが多いのが「税金」。 特にお仕事においては、「税を知らないこと」が不利益を生むリスクとなる 場合もあります。 税金の基礎知識、しっかりチェックしてみましょう。
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●個人事業/青色申告について
2011年01月06日(木)
領収証がなくても認められる経費がある
青色申告は簿記の技術で帳簿を付けることを求められる分、税金が安くなってトクをする要素がたくさんあります。いろいろな特典のうち目立つものを挙げてみましょう。まず、青色申告特別控除という特典があります。領収証がなくても、最大65万円の控除が認められています。この控除のおかげで、国税の税率が最低の5%であっても、地方税も含めて最大で9万7千5百円の税金が安くなります。
家族への給料を経費に出来る
次に、専従者給与の額に制約がありません。家族に働いていてもらって給料を払っても、白色申告だと配偶者で年間86万円しか経費に入れられないのですが、青色申告だと事前届出の範囲内であれば制限なく(勤務内容に見合う必要はありますが)経費に入れることができます。奥さまや娘さんに店を手伝ってもらっている個人事業主さんには、大きな特典だと思います。
勝手に推計で課税されない
その他に、税理士の立場で重要と思うのは、「推計課税」の問題です。白色申告の場合、税務署から税務調査が入って、申告内容に不備があると判断されると、更正決定という手続きをしてくる可能性があるのですが、その決定の中身とは「恐らく本当は、こんな売上と経費があったと思いますよ」という推計での課税処分なのです。これは実は「税務職員のさじ加減で課税処分が行われてしまう」という恐ろしいことを意味しています。
これが青色申告になると、このような推計課税での更正決定はできないことになっています。なぜなら、簿記の技術で正確に会計帳簿を付けていることを前提としているので、税務署はその帳簿を尊重しなければいけないからです。
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