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身近な言葉でありながら、意外に分からないことが多いのが「税金」。 特にお仕事においては、「税を知らないこと」が不利益を生むリスクとなる 場合もあります。 税金の基礎知識、しっかりチェックしてみましょう。

●個人事業/申告と納税の手続き

「白色申告事業主で義務化される記帳と帳簿の保存」(kj0502)

2013年06月06日(木)

プロローグ

 

 

個人事業主の方には、税務申告を「白色申告」で実施していることも多いかと思います。そのような白色申告を実施する個人事業主にとって重要な税制改正が成立しています。今回はこのテーマについて取り上げて行きます。

 そもそも白色申告とは

 

 

 

 

 

1) 青色申告をしていない個人事業主をいう

個人事業主に関する税制には、大きく分けて「青色申告」と「白色申告」が存在します。このうち青色申告は、申告納税制度(国民が自分で税金の計算をして納税をするという制度)が適正に機能するようにとの趣旨で、昭和25年に青色申告の制度が創設されました。現在では、こうした青色申告でない個人事業の申告を、白色申告と呼んでいます。

2) 青色申告のみに認められる特典の確認

青色申告は、事業活動に関する収入と必要経費を適宜に記帳し、その記帳に基づいて青色決算書を作成して事業所得を算定することが求められます。事業主には記帳事務という負担が課されるほか、記帳した書類(帳簿)や伝票等の証憑書類を、一定期間保存をするという帳簿保存義務も課されます。

このような重い負担を課す一方で、青色申告を普及させる目的で数々の税制上の特典が与えられています《図表1》。

《図表1》青色申告の主な特典
 

主な特典 内容
1 青色申告特別控除 最高で65万円の控除額が付与される。
2 青色事業専従者給与 事業主の配偶者や親族に対して支給した給与を、所定の要件で必要経費にでき、金額に形式的な上限がない。
3 純損失の繰越しと繰戻し 事業の損失を翌年に繰り越したり、前年に繰り戻して所得税の還付を受けることができる。
4. 租税特別措置法の特例の適用 例えば、取得した固定資産を一括で経費にできる限度額が拡大している。
5 推計課税されない 保存されている帳簿を元に課税が行われるので、税務当局による推計(推定の計算)での課税が行われない。

3) 白色申告には、根強い人気が

このように、数々の得点が認められている青色申告であるにもかかわらず、個人事業主における青色申告の普及状況は50%程度とされていて、白色申告を大きく上回る普及とは言いがたい状況です。

白色申告の根強い"人気ぶり"の背景を探ると、「青色申告の特典をもってしても、なお記帳と帳簿保存義務がない白色申告はより魅力的」と感じている個人事業主が多いことが推察できます。

 

現行の白色申告事業主での記帳と帳簿の保存

 

 

 

 

 

ここでは税制改正の内容に触れる前に、白色申告の個人事業主での記帳や帳簿の保存について、現行はどのような規定になっているのかを検証してみましょう。

1)一定規模以上の白色申告事業主では

現行の制度では、白色申告者のうち、前々年分あるいは前年分の事業所得等の金額の合計額が300万円を超える者については、青色申告者と同様の記帳と帳簿等の保存制度が適用されています。

この場合における記帳する内容は、売上などの収入金額、仕入れとその他の必要経費に関する事項です。帳簿の保存については、収入金額や必要経費を記載すべき帳簿書類のほか、取引に伴って作成したり受け取ったりした帳簿や請求書、領収証などの書類を保存する必要があります。

2)小規模の白色申告者では

他方で、小規模の白色申告者には、上述の記帳と帳簿等の保存は義務付けられていません。白色申告者のほとんどは、ここでいう小規模の事業者に該当すると言われてもいます。このようなことから考えると、青色申告の普及状況が思わしくないのは、前述の「記帳と帳簿保存義務が課されない」ということに加えて、そもそも事業所得が毎年300万円に及ばないような小規模の事業者にとっては、青色申告の特典を利用するほどの節税メリットを享受する必要はないといった理由もありそうです。

 

すべての白色申告者に記帳と帳簿の保存が求められることに

 

 

 

 

 

1) 記帳の義務化

このような白色申告者に対して平成23年度の税制改正では、事業の規模にかかわらず、すべての白色申告者に対して記帳と帳簿等の保存義務を課することとされました。具体的には、平成26年1月からの事業所得等を生ずべき業務を行うすべての者が対象で、所得税の確定申告の必要がない者であっても事業をしているからには、記帳と帳簿等の保存制度の対象になるとされています。


なお、記帳する内容は、売上などの収入金額、仕入れおよびその他の必要経費に関する事項であり、記帳にあたっては一つ一つの取引ごとではなく、日々の合計金額を一括で記載するといった、簡易な方法で記載しても良いとされています。また、資産、負債に関する事項については記載する必要はないとされています。

2) 帳簿等の保存義務

帳簿と書類の保存期間は、《図表2》のとおりです。

 

《図表2》すべての白色申告者に義務付けられる帳簿等の保存義務の内容
帳簿/書類 番号 種類 保存期間
帳簿 ① 収入金額や必要経費を記載すべき書類 7年
  〃 ② 業務に関して作成した①以外の書類 5年
書類 ① 決算に関して作成した棚卸表その他の書類 5年
  〃 ② 業務に関して作成し、または受領した請求書、納品書、送り状、領収証などの書類 5年

 

3) 白色申告者に対する処分の理由付記

実は、前述したすべての白色申告者への記帳と帳簿等の保存義務を課したことの本当の趣旨は、「国税当局が行う処分の理由附記」を、白色申告者に対しても提供するとされたこととの関連です。

ここで「処分の理由附記」とは、税務調査の結果で国税当局が更正処分(税金の追徴課税)を行う場合、その更正処分に理由を附記した文書を交付しなければならないというもので、従来は青色申告の事業者に対してだけ行われていたものでした。これを、国税当局が平成26年1月以降の更正処分を行う場合は、白色申告の事業者に対しても理由附記を行うことが、当局に義務付けられることとなりました。このこととの整合を取るために、すべての白色申告者に対しても、青色申告者と同程度の記帳と帳簿等の保存義務が課されることとなったものと考えられます。

 

これを機会に青色申告への移行も検討したい

 

 

 

 

白色申告者への記帳と帳簿等の保存義務が課されたことにより、同様の義務を課されている青色申告との区別が、つきにくくなってきました。今現在白色申告をしている個人事業主の方には、同じく記帳と帳簿等の保存義務がありつつも、税制の特典が用意されている青色申告への切り替えをおすすめしたいところです。

 

 

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